新時代ボイトレ概論 第二回 ボイストレーナーは嘘をつく(2)

ごあいさつ

こんにちは。音楽家になりたい人・武宮健です。

新時代ボイトレ概論は、従来の「上手い人がより上手くなることしかできない」ボイストレーニングに異を唱えて、誰もが上手くなれる、新しい歌の理論体系を築き上げるための講義です。

今回は、ボイストレーニングを受けたけど上手くなれなかった体験談を話していきます。

武宮健のボイトレ人生

僕の歩んできたボイトレ人生は、次の3つに分けられます。

  1. 歌いまくり期…とにかく歌いまくって音域を広げようとした
  2. レッスン受け期限界を感じてプロに指導を受けた
  3. 新時代ボイトレ期歌声の真理にたどり着いた

まずは今回の主題「レッスン受け期」からお話しします。

「レッスン受け期」までのあらすじ

もともと声が低くてカラオケで歌える曲がほとんどなかった武宮健は、無理やりに高い曲を歌い続ける「歌いまくり期」で着実に音域を広げていった。

しかし、音域が広がったとはいえ、高い声を出すのは容易ではなく、全身に力を込めてようやく出せる、苦しい歌声であった。

歌い方が悪いのか、自分の筋力や体力がないせいなのか、何もわからなかったため、プロに教わるしか道はないと考え、こっそりボイトレ教室に通いはじめた。

手に入ったのは「すぐ枯れる太い声」

歌っても歌っても、上手いとか下手以前に、声が出なかった。

ボイトレ教室で教わったのはこういうものでした。

「腹式呼吸」を使って、響きの強いチェストボイス、響きの強いファルセットをしっかり出す。別々にしっかり出せるようになればその中間の「ミックスボイス」も力強く、枯れない声が出せる。

当時の私は「なるほど、自分はそれぞれの発声が弱いから無理やりにしか発声できなくてバテてしまうのか」と納得してしまいました。

しかし、ここで忘れてはいけない事実があったのです。

歌の上手い人は、チェストボイスとかファルセットとか一切鍛えたりせずに、存在も知らないまま歌えている人の方が圧倒的に多い。

練習を重ねるにつれて、どんどん重苦しい声になっていき、手に入ったのは「すぐ枯れる太い声」でした。

今考えると、これは当然の結果です。

上手な歌に必要なのは「軽さ」です。けれども声楽インスパイアの練習は、しっかりしたチェストボイスを教える。これは「重さ」を鍛えることになるのです。

嘘だらけの「旧時代ボイトレ」

基本的にYouTubeとかで人気の人も、当たり前のように「地声と裏声をしっかり出して混ぜよう」という軸で指導しています。

そして、地声の響きを強く、裏声の響きを強く、という声楽インスパイアの練習になっていく。

目的の違う声楽の練習法をやらせる「旧時代ボイトレ」。

声のプロだからと信用していると、いつの間にか話をすり替えられて、太い声を練習させられてしまうわけです。

新時代ボイトレ期

というわけで、「レッスン受け期」でした。

そのあとの「新時代ボイトレ期」はまさに今、奮闘している最中です。その内容は新時代ボイトレ概論の後半でお話します。

「歌いまくり期」までのあらすじ

声変わりで高い声が一切でなくなった中学生の武宮健。

カラオケでは女性の曲を1オクターブ下げて歌うしかなかった。

高校生ではバンドを始めたが、ボーカルが見つからなかった。スリーピース、インスト、プログレという、99.9%の高校生がポカーンとするバンドであった。

耐えきれず、ギターボーカルとして何度か歌おうとしたが、ビートルズも満足に歌えず、声量もなく、すぐに枯れてしまう声では、選択肢はほぼないに等しかった。

あるとき歌の上手い大学生が言っていた「歌いまくっていたら、いつの間にか歌えるようになっていたよ」という言葉をあてに、歌いまくる日々が始まった。

歌いまくれば上手くなる

この「歌いまくり期」では、無理やりの喉声でずっと歌ってました。

すると、確かに音域自体が伸びていったんです。ゼロだった音が0.1ぐらい出るようになっていった。

最初ゼロだったものが0.1になったら、もっとたくさん歌えば声も太くなって、安定していくだろうと、希望をもって歌っていました。

その結果、大学サークルのバンドでボーカルやコーラスをやる機会は増えていったし、自分の中では、上達は感じていた。歌えなかった曲が歌えるようになるというのはすごく嬉しかった。

けれども、「何曲か歌うと声が枯れる」「日によって歌の調子がぜんぜん違う」「ギターを持つと一気に歌えなくなる」といった悩みはどうにもならなかったのです。

バンドのボーカルの声が枯れたときの、あの残念な感じを、他でもない自分が作り出すというのが本当に嫌だったし、怖かった。

だから、心底上手くなりたいと願って、ちゃんとプロに教わって本物の歌を手に入れたいと思ったわけです。

おわりに

もともと何も歌えなかった人間が一生懸命努力して、いざ一線超えるぞとプロに入門したものの、結局上手くなれず。

凄そうな動画がYouTubeにもたくさんありますけど、そのほとんどは声楽インスパイアの「旧時代ボイトレ」。

普通に歌いたい私達が、普通じゃない歌(=声楽)の練習法を教わって、それで本当に自分の望む歌が手に入るはずがないのです。