新時代ボイトレ概論 第七回 新時代の歌の基礎(1)

ごあいさつ

こんにちは。音楽家になりたい人・武宮健です。

新時代ボイトレ概論は、従来の「上手い人がより上手くなることしかできない」ボイストレーニングに異を唱えて、誰もが上手くなれる、新しい歌の理論体系を築き上げるための講義です。

今回は、自由な歌に必要な要素をしっかり分けることによって、何が自分の歌の足かせになっているのかを見極めていきます。

歌の3要素

「自由な歌」という目的を叶えるための部品として3つの能力が必要になります。

それぞれの能力がきちんと育っていけば、自ずと歌が上達していきます。

音感

主に音程(音高)やピッチ。

「どんな高さの声を出すのか」「今出してる音が合っているのかどうか」がわからないと、いつまで経っても自分が上手いのかどうかすらわかりません。

また、リズムやタイミング。これも同じく、どんどん伴奏とずれてしまうと、自由に歌えば歌うほど気持ちよくなくなる。

こういった音感は、楽器をやっていると強いです。

音を出して、それが思い通りの音かどうか判断して、また音を出す。その繰り返しで音感は育っていきます。

身体制御

このタイミングで、この高さで、この強さで、この発音で出すぞ、と思ったとしても、それが実現できなくては歌に反映されません。

人は、声帯とか呼吸とか、各部の力の入れ具合というのを制御して、発声をします。

この部分はやはり訓練で鍛えていくところです。たくさん歌えば自ずと良くなっていく。

プロの歌手だってデビュー当初よりも何年か経ったほうが上手いことが多いですよね。

発声基盤

上手くなれる人と上手くなれない人を隔てているのは、実はこれなんです。

発声のための基盤。

簡単な話、声が出やすい身体です。

声が出やすい身体じゃないと、いくら練習したところで声は出にくいままなのです。

別の言い方をすると、声が出にくい身体で練習するから、頑張らないと声が出ない。同じように練習をしても、頑張らずに出せる人は上手くなっていくし、そうでない人は一向に苦しいままなのです。

練習によって「身体制御」自体は育つから音程は合う。だから上達を実感してしまう場合も多い。

けれども、「旧時代ボイトレ」は「発声基盤」を一切考慮していないから下手な人は下手なまま、嘘をつかれ続けるのです。良い発声基盤を持つ前提で考えられたボイトレだから。

改めて目的は「普通の高い声」

色々話してきましたが、目的としてまず普通に、自由に、高い声が出せるようになりたい

もちろん、「綺麗な高い声」「耳障りな高い声」というのはあるでしょう。

でもとにかくまずは普通に高い声を出せるようになること

それが「自由な歌」に直結するのです。

私たちは、ただ真っ直ぐ「普通の高い声」を目指して練習をすればよいのです。

おわりに

そもそもの歌いやすさである「発声基盤」がよくならない限り、歌は不自由なままという、「旧時代ボイトレ」が気づかなかった当たり前の事実をお話ししました。

「音感」がない人は楽器をやるなどの対策をしましょう。

「身体制御」はたくさん歌えば良くなっていきます。

しかし、「発声基盤」が十分でないと、思い通りに歌うのは不可能です。

次回は、人間の歌に必要な発声基盤の正体について話していきます。