新時代ボイトレ概論 第九回 第十回 ボイストレーナー大論破祭り(1)(2)

ごあいさつ

こんにちは。音楽家になりたい人・武宮健です。

新時代ボイトレ概論は、従来の「上手い人がより上手くなることしかできない」ボイストレーニングに異を唱えて、誰もが上手くなれる、新しい歌の理論体系を築き上げるための講義です。

今回は「歌は副鼻腔!」を理解してもらうために、ボイストレーナー大論破祭りを開催します。

簡単な話、歌に関する意味不明なセリフを、副鼻腔に結びつけて解釈し直していきます。さくさくっとまとめてみました。

セリフ「喉声になってるよ!腹式呼吸で直そう!」

解答:鼻腔・副鼻腔が鳴らないから口や喉を鳴らす必要がある。

「喉から出す」の逆って「腹から出す」だと思いがちですが、これも「旧時代ボイトレ」の嘘。

本当は「上」すなわち鼻と副鼻腔。口や喉は「下」です。

「上」を使えれば、苦しくない声が出せるのです。

セリフ「力を抜けば高い音も出せるよ!」

解答:鼻腔・副鼻腔が鳴る人は力を抜いても鳴る。鼻腔・副鼻腔が鳴りにくい人は、力を入れないと鳴らせない。

歌が苦手な人は、喉や口の響きを頑張って増幅させて、それが副鼻腔まで伝わってようやく高い音を出せる。でもそれは聞き苦しい声になっているというわけです。

だから、「上」が鳴りにくい人は、力を抜いたらシンプルに声が出ないだけなのです

セリフ「歌が上手い人は普段の声から違うよね!」

解答:上手い人は普段から鼻腔・副鼻腔を使って喋っているから。

アニメ声優を始めとする、普段から高い声、よく通る声が出やすい人たち。簡単にシンガーとして活躍できているのは、歌に必要な鼻腔・副鼻腔を普段の喋り声でも使っているから!

喋るのと同じように歌が歌えるというわけです。

このように歌が得意な人たちの言う「ボイトレ」と、私たちのように歌が苦手で始める「ボイトレ」は全く意味が違っていることに注意しましょう。

セリフ「息が漏れているね!声帯を閉じよう! 」

解答:鼻腔・副鼻腔に空気が通りにくいから口腔に流れ出てしまう。

鼻が通らないと空気が引っかかるような感じがしますよね。歌っているときに、同じような引っかかりを感じることがあります。鼻は詰まっていないはずなのに。

歌には、普段の生活よりずっと多くの空気の循環が必要です。鼻腔・副鼻腔に空気がスカッと通らなければ、苦しくなり、口腔に出口を求め、結果として息が漏れたような声になってしまうのです。

セリフ「鼻にかけたような声だね!お腹から声を出そう! 」

解答:副鼻腔が狭いから空気抵抗が大きく、抜けの悪い声になる。

鼻が詰まっているときに鼻声になりますよね。その手前の段階として、鼻腔・副鼻腔が狭い状態では、空気が思い通りに流れず、鼻にかけたような、にぶい声になりがち。

副鼻腔が広い人は同じ発声でも綺麗に響くので、澄んだ良い声になります。解決策は腹式呼吸ではなく、鼻腔・副鼻腔の状態改善です!

ごあいさつ

引き続き、「ボイストレーナー大論破祭り」の内容をさくさくっとまとめていきます。

セリフ「声がよれて不安定だね!腹式呼吸で改善しよう!」

解答:副鼻腔に空気が通りづらいと、空気抵抗の強さが一定ではなくなるのでよれてしまう

鼻にかけた声の話と通じる部分がありますが、鼻から出そうとする空気が通りにくい場合、すんなり声が出る瞬間と出ない瞬間が、一瞬のうちに繰り返されますすると、声を出すために必要な力加減が揺れます。そして、音程が上下する。つまり、声がよれるということです。

セリフ「口角を上げよう!」

解答:上顎洞が鳴りやすくなるから。

だから、口角を上げること自体は良いことです。

注意するとしたら、口角を上げると、にこやかな雰囲気になるので、クールな曲などには合わない場合があることです。

口角を全く上げずに歌えるシンガーの方も多いです。必死さを出さず、ひたすらクールです。カッコイイ。真の才能とも言うべきでしょうか。

セリフ「頭から声を出そう!」

解答:副鼻腔が響くと頭全体が響くように感じる。

4種類ある副鼻腔のひとつ「前頭洞」は、おでこです。声を頭から出せと言う人は、比喩ではなくて、本当にそう感じるから言っているのです。

でも、前頭洞の感覚がない人にとっては意味不明。副鼻腔の理解こそが、ボイトレの謎を解く鍵なのです。

セリフ「お腹から声を出して!」

解答:鼻腔・副鼻腔で増幅された響きをさらにボディに広げていくということ。

声帯から出る音はブザーのような音ですので、そのまま口に響かせるとやはり汚い音になってしまいます。

声帯で作ったブザーの音を、鼻腔・副鼻腔にまで響かせられたら明るくて綺麗な、よく通る声が出ます。それぞれの空洞での共鳴で、きれいな倍音が乗るのだと思います。

さて、鼻腔・副鼻腔が響く前提で、腹式呼吸をやり、身体全体を響かせるようにすると、クラシック歌手のようなふくよかな声を出せるというわけです。

けれど、口と喉しか響かられせていない人がボディを響かせようとすると、うるさくて汚くて聞き苦しいだけの声になってしまいます。

だから、腹式呼吸は歌声の本質ではないのですあくまで才能を前提とした付加的な技術というわけです。

おわりに

というわけで、副鼻腔のポテンシャルを感じていただけたのではないかと思います。

歌の才能は副鼻腔。これを確信してもらった上で、今度は「どうやって副鼻腔炎を治していくのか」という話になっていきます。

次回の新時代ボイトレ概論は、その方法についてお話していきます。

お疲れ様でした!