ボイトレ最新研究!歌の練習に不可欠な「声の重心」を理解しよう

これからの時代、歌が上手くなるために必要なことが色々わかってきました。本記事では、そのうちの最も重要と言える概念「声の重心」について説明していきます。

ボイトレに通っても上手くなれない人

いまだに多くの人が「ボイトレに通いさえすれば上手くなれる」と思っていることでしょう。

しかし、それは大きな誤解です。

世の中のボイストレーニングは、基本的に「今の声をより太くする」目的で行われます。そのため、歌が苦手な人(悪い癖で発声する人)はそれが助長され、ますます歌いにくくなってしまいます

なかなか伸びないので、講師には「才能がない人」扱いされて、ナメられて、挙句、辞めようとしたら「もったいないよ」とか言われます。そして続けた分だけ金銭を吸い取られ続けるだけで何にもなりません。

このような悲劇については、令和元年の新時代ボイトレ概論で詳しくお話ししているので、興味のある方は以下をご覧ください。

新時代ボイトレ概論 総まとめ

『令和ボイトレ』は、例外なく誰もが歌を歌えるように、医学的側面から歌声を解明しています。

大事なのは副鼻腔です。声帯の知識なんてほぼ無駄です。声帯の形をいくら考えても歌が上達しないことは、ボイトレをかじった人ならわかるはずです。

私の生徒は、声帯の形など知らないままぐんぐん上達しています。単なる付け焼き刃の無駄知識に踊らされないよう、ぜひ気をつけてください。

声の重心とは

「声の重心」は、発声における響きの軸となる部分のことをいいます。

令和ボイトレでは、人の声が響く「声道」を二つに分けて「上声道(じょうせいどう)」「下声道(かせいどう)」としています。簡単に言うと、上声道は鼻腔と副鼻腔、下声道は口と喉です。

歌が苦手な人は、下声道をよく鳴らしています。声量や音高のバランスを、口と喉で取っているのです。そのため、たとえ音程が合っていても、苦しそうで、声が通りにくく、怒っているように聞こえ、高い音は出せず、簡単に枯れていきます。

歌が得意な人は、上声道をよく鳴らしています。そのため声が軽く、澄んでいて通りやすく、高音が出やすく、表情がよく動き、表情に連動して声が出ていくので表現力も高くなります。

上声道と下声道の響きのバランスによって、声の重心が変わります。「中心」ではなく「重心」なのは、響く範囲が広くても、上声道の響きの密度が高ければ声の重心は高いと言えるからです。感覚的な話にもなりますが。

声の重心が低ければ、歌が苦手です。ボイトレをやっても、ちょっと声が張れるようになるくらいで、本質的に歌が苦手なことは変わりません。

声の重心が高ければ歌が得意です。声の重心さえ安定していれば、反復練習によって簡単に上手くなっていきます。ただし、悪質なボイトレだと、声の重心ごと下がってしまい、下手になることもあります。プロデビューしてからどんどん下手になっていく歌手は大体そのパターンだと思われます。

歌唱例:下声道発声でドライフラワー

口、喉、胴体が響くように、腹式呼吸を意識しながら歌いました。(今でこそこれで歌えますが、昔は絶対に無理でした。それくらい効率の悪い歌い方です)

特徴を書き出してみました。

  • 声が太くて重たい
  • 発音がはきはきしすぎている
  • 裏声も太い
  • いつもどことなくつらそう
  • 表情や感情が伝わらない
  • 声量が常に一定以上で表現の幅が乏しい

このように、音程も高さも出ているのに、歌っていて苦しく、聞く側も苦しい声になってしまいます。

旧時代ボイトレが目指す発声はこれに近いので、素直にやるとこのような歌が身につきます。しかし、当然誰もが途中で変だと気づくので、センスのある人は修正していきます。わからない人はどんどん歌うのがつらくなっていきます。

いずれ音源を公開したいと思いますが、実際、ボイトレに通ってからの私はこのような歌い方に近づいていきました。悲劇です。

歌唱例:上声道発声でドライフラワー

上声道だけが鳴るように、響く箇所を制限して歌いました。かなり変わりましたね。歌が苦手な人は(昔の私にも)、このような歌い方はできません。声がすぐに裏返ってしまいます。

特徴を書き出してみました。

  • 声が軽く、透明感がある
  • 発音が自然で、普段の喋り声に近い
  • なよなよした箇所、にこやかすぎる箇所がある
  • 高音が軽く出ている

一気に声が軽くなり、ポップスっぽい歌になりました。

一方、このような歌い方は、繊細な曲や可愛い曲など、女性的な歌を歌う場合なら問題ないことが多いと思われます。しかし、激しい曲や叫ぶような曲など、男性的な側面の強い歌を歌う場合には物足りなさを感じることでしょう。

また、今回のように響きを上声道にまとめようとしすぎると、感情表現に制限が出て、不気味な部分が出てきてしまいます。悲しいムードや嬉しいムードなど、使い分けられる歌でなくては、歌っていても窮屈で楽しくありません。

したがって、最終的には、上声道と下声道の両方の長所を生かせる歌い方を模索していく必要があります。そうしてついに「あなたの歌」が出来上がっていくのです。

歌唱例:バランスよくドライフラワー

上声道の響きを感じることで声の重心を自然に保ちながら歌いました。先ほどの空っぽな歌に、人間らしさが加わった印象がします。よく聴き比べてみてください。

特徴を書き出してみました。

  • 声が軽く、なおかつ芯がある
  • 発音が自然で、普段の喋り声に近い
  • 悲しそうな感情が表に出ている
  • 高音が伸びやかに力強く出ている

上声道だけの時の不自然さが消え、また力強さを加えることに成功しています。

一方、Aメロなどは、上声道だけの歌い方のほうが良いかもしれません。そこは、うまく織り交ぜたり、使い分けたりしながら、「完璧な歌」を実現するセンスと鍛錬が必要となる部分です。歌の道は果てしなく、だからこそ面白いです。

さいごに

令和ボイトレの最重要概念「声の重心」を理解していただけたでしょうか。

もともと私は、ドライフラワーでいうとBメロに入った瞬間に「演奏停止」を押すくらいの低い音域でした。そこからここまで歌えるようになったのです。もし今の私の歌が微妙だとしても、成長率では誰にも負けないでしょう。令和ボイトレが最強理論たる所以です。

さて、最新理論に基づいて、最速で上達するためには、シンプルに言えば、上声道の響きを強化するだけです。それだけで歌の自由はすぐそこです。

令和ボイトレのレッスンでは、まず上声道の感覚麻痺を直し、声の重心をコントロールしていきます。

もし興味がある方は、Voice Frontierへの入会を検討してみてください。誠意ある方ならばいつでも歓迎します。

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